2021年度 神奈川県公立高校入試/数学(問4以外)
2021年度神奈川県公立高校入試/数学の問題及び解答例です。
前回の問4含め、なかなかのボリュームです。
問1は計算問題。ここは確実に取りたいところ。
符号の処理に注意。特に文字式同士の通分は括弧を意識して計算しよう。
解の公式や変化の割り合いなど定義はしっかり押さえておこう。
(ア)置き換え問題。(置き換えなくても可)式全体を見て共通因数を探そう。
(オ)自然数になるためには、ルートの中身が(自然数)²でなければいけない。つまり、nは540の約数で、かつ540/nが(自然数)²になるnを探せばよい。そのためにまずは540を素因数分解してみよう。
(カ)角度の求め方は色々考えられるが、円周角の定理や三角形の内角の和などを使って導き出すことが出来る。補助線を引いて考えてみよう。
問3 (ア)図形問題。正三角形を組み合わせた図形の面積比。比較的解きやすい問題なので計算ミスをしないように丁寧に解こう。
↓書き切れなかったので以下に記述。
問3(イ)資料の散らばりと代表値。折れ線グラフからデータの傾向を読み取る問題。
あ.階級値は各階級の中央の値で、どちらも同じ。
う.ある階級の相対度数が同じであれば、生徒数が多い方が人数は多くなる。
(各階級の人数=度数×生徒数)
問3(ウ)グラフを読み取る問題。
一見数字が多くて面倒臭そうだが、実はラッキー問題⁉︎
装置の構造を理解した上でグラフを見ると、特別な計算などしなくてもどれが正解か分かる。
(ⅱ)x軸は時間、y軸は水面の高さを表す。全体を通して水量は一定だが、底面の形状によって水が溜まる速さが変わる。グラフの傾きは「水が溜まる速さ」のようなもので、傾きが急になるほど速く溜まる。
まず水そうのP側に水が溜まり(①)、
高さ18cmになったところで、Q側に流れ出ていく。
この時水面の高さは18cmで止まったまま。(②)
やがてQ側の水面が18cmに達すると、再び全体の水面が上がっていく。(③)
底面の形状を見ると、Q側はP側の半分になっているので、水が溜まる時間もP側の半分になると予測出来る。(①で増加している時間:②で止まっている時間=2:1)
水面が18cmを越えると底面が3/2倍に拡がるため、①の時よりもグラフの傾きが緩やかになる。具体的に言うと、残りの18cm分溜めるのに掛かる時間は①のときの3/2倍になる。
問3
(エ)xとyを使った連立方程式
問題をよく読み、大人の数、子供の数、先週、今週と混在する情報を整理しよう。分かりにくい時は表にまとめるなどの工夫をすると理解の手助けになる。
大人の数 子供の数 合計
先週 x y 580(人)
今週 1割増 3割増 92人増加
この問題では先週の大人の利用者数をx、子供の利用者数をyとおいている。ただし、最終的に求めたいのは今週の大人の利用者数(xの1割増=1.1x)であることに注意。
問4 →5/25付記事に記載。
2021年度 神奈川県公立高校入試/数学問4(1次、2次関数、面積、比) - 数学的な何か (hatenablog.com)
問5 確率
問4に引き続き、かなり手強い問題。相当訓練しないと無理そう。
まず、問題を読んだ時点で嫌になりました。(苦笑)
複雑な事象が絡み合っているので、状況を把握するのに時間が掛かりそう。
本番では問6を先に解いた方が良い気がします。
(ア)はなんとか場合分けでも求めることが出来るのですが、条件を考えるのが結構面倒臭い。
(イ)は場合分けしようとして挫折しました。頑張って計算してみたものの、条件の漏れが出てしまう。結論として、全事象を出すのが一番手っ取り早いと言うことが分かりました。
問5(ア)場合分けの例。(参考)
事象が限定的なので問題を理解すればなんとか求められるが、(イ)で全事象の表を作るのでそちらを利用した方が確実だと思う。
問5(イ)
aとbは独立の事象なので、それぞれを縦横に取った表を作成する。
一見面倒臭そうだが、それぞれについて場合分けしながら考えられるので、実はこの方法が一番簡単だった。(最後の!?はあっさり答えが出過ぎて拍子抜けしたという感情表現)
神奈川県の公立高入試の確率問題では、このように複雑な事象を題材にした問題が出されるようなので、表を作る練習をしておいた方がよいと思われる。
問6 三角錐の体積、表面積、最短距離
図2を見て切れそうになったが、解いてみたら意外と良問だった。
基本事項を抑えていれば見た目以上に解き易い問題。
母線を使った表面積の出し方なんて言うのもあるようだが、ここでは使っていない。
大した手間ではないし、どのみち(ウ)でおうぎ形の角度が必要になるので。
公式の丸暗記ではなく、おうぎ形と底面の円がどういう関係にあるかをちゃんと理解しているかが求められていると思う。